ラ・フェラーリは世界限定499台(その後、チャリティのため1台追加生産)。
価格は100万ユーロ程度と報道されていますが、いくらそのお金があっても資格がなければ「購入したい」と手を挙げることができません。
今回はその資格の概要と、オーナー限定のイベントなど富裕層向けの特権についてのお話です。
【目次】
1.市場の需要マイナス1台にこだわる生産管理でクルマは美術品の域
2.完全非公開の販売実態
3.オーナー限定のイベント
1.市場の需要マイナス1台にこだわる生産管理でクルマは美術品の域
フェラーリの特別仕様車の生産台数は、“需要よりも1台少なく送り出す”ことに徹底していて、下2桁99にこだわっています。
これは、メーカー側の徹底した需要管理に基づくもので、需要を超えて限定車の市場価格が下がらないようにしているのです。
そんな特別限定車ですが、すぐに完売することは目に見えているので、購入予約時にびっくりするほどのエントリー資格が設定されています。
いくらお金を積んでも、これをクリアしなければ手を挙げることもできません。これによって、ほとんどの富裕層は諦めるしかないのです。
富裕層にとっては、こういった限定車は購入後に乗り回そうというのではなく、投資目的あるいは美術品感覚で購入しています。
かつてF50が限定でローンチされた時代は、バブル期と相まって当時、中古車価格が新車価格の倍の1億半ばの値段がついたこともあります。
景気でクルマの価格が何千万円単位で動く、まさに美術品と言えるでしょう。
美術品であるがゆえに、ほとんど乗ることはありません。中にはタイヤを浮かせて駐車場に保管しているオーナーもいるくらいです。
2.完全非公開の販売実態
エントリー情報や抽選方法は完全に非公開で、マスコミはおろかコーンズなど正規代理店でも情報公開されていません。
しかし、この世界でまことしやかに囁かれているのは、例えばラ・フェラーリの場合、エントリーできるのは『過去に新車購入実績が5台あること』。
そして、このエントリー資格を果たすために超富裕層がこぞってフェラーリの新車を5台になるまで購入したというのです。
V8やV12のフェラーリを仮に3台購入するとなると1億円は下りません。
1億円以上するフェラーリを購入するのに、さらに1億円拠出していることになります。
私は普段からフェラーリに触れていますが、まったくケタの違う世界がそこにあります。
本当の富裕層にしか販売しないというフェラーリ社の姿勢。
需要に満たない台数しか生産しないことを考えても、利益よりブランド維持への徹底した管理、顧客への徹底した選別に驚かされます。
3.オーナー限定のイベント
ランボルギーニ社もオーナー管理はしっかりしていて、イタリア本国でオーナーを集めた走行会を実施したりしています。招待なので、日本-イタリアの往復エア代は出してくれるそうです。
ただし、車両の持ち込みは自費。国内の富裕層の間では、この選ばれたオーナー限定の走行会に参加するために、自分のランボルギーニを日本から輸送するのではなく、イタリア現地でランボルギーニを購入し、走行会を終えたら売却して帰国、というケースも多いようです。
もちろん、たとえディーラーでも中古で買ったオーナーにその特権が与えられるものではありません。長年、ランボルギーニをディーラー経由で乗り継ぎ、サポート面においても一任しているようなオーナーのみに、インビテーションカードが郵送されてくるのです。
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