フェラーリのエンブレムは「跳ね馬」。
フェラーリの象徴として、車好きの方なら誰でも知っているマークですね。イタリア語でカヴァリーノ・ランパンテと言います。このエンブレムについてのお話です。
【目次】
1.「跳ね馬」はドイツから
2.フェラーリのコーポレートカラーは赤ではなく黄色
3.カスタマイズで優越感に浸る自分だけのフェラーリ
1.「跳ね馬」はドイツから
街中で存在感を示す「跳ね馬」ですが、そのルーツを知っている人は多くありません。
“馬”はポルシェやマスタングにも使われているので、いずれも俊敏さと華麗さのイメージを持つから“馬”をシンボルに起用したのでは?と思いがちですが、実はフェラーリとポルシェの間には深いつながりがあるのです。
第一次世界大戦(1914年~1918年)において、イタリア軍の宿敵だったドイツ軍との戦闘でドイツ軍を撃墜したイタリア軍バラッカ少佐が、その証としてドイツのシュトゥットガルト市の紋章であった“跳ね馬”のマークを自機に貼り付けて戻ってきました。道場破りで看板を持ち帰るのと似ているかもしれません。
これによってバラッカ少佐は、のちに爆撃王と称されるほど“伝説のパイロット”として国民的英雄となります。
一方、フェラーリの創業者エンツォ・フェラーリ氏はもともとレーシングドライバーで、1921年にイタリア国内で行われたレースで優勝します。
この優勝に感銘を受けたのがバラッカ伯爵夫妻。レースは夫妻の領地内で行われていました。そこで夫妻はフェラーリ氏の優勝を称賛する意を込めて、息子のバラッカ少佐が勝ち取った“跳ね馬”の紋章を授ける提案をしたのです。
その紋章は敵軍から勝ち取った栄光の証でもあるため、フェラーリ氏は快くその提案を受け入れ、紋章が受け継がれました。
ポルシェは本拠地がドイツのシュトゥットガルト市で、市の紋章である“跳ね馬”をエンブレムに取り入れていますが、フェラーリのエンブレムも発端は、創業者の優勝と息子のドイツ機撃破によるものなのです。
マスタングはというと、和訳すると“野生の馬”。
馬をエンブレムに起用していますが、フェラーリやポルシェとの関係性はありません。
2.フェラーリのコーポレートカラーは赤ではなく黄色
フェラーリの跳ね馬の背景には黄色が使われています。
フェラーリというと赤(ロッソ)をイメージしますが、フェラーリのコーポレートカラーは黄色(ジアッロ)です。
『フェラーリといえば赤!』のイメージが強いですが、新モデル発表(ローンチ)のときにはロッソだけでなく必ずジアッロも用意されているのです。
フェラーリのエンブレム、たまに黄色ではないものもあったりします。
フェラーリは、1車種1グレードで展開されています。ポルシェのように多くのグレードはありません。
例えばポルシェ911はエンジンサイズなどで1,000万円~3,000万円までグレードがありますが、フェラーリはグレードがあってもオープンモデルのスパイダーだけです。そのため、同じフェラーリでも優越感を感じようと思えば、購入時にオプションで差を付けるしかありません。
フェラーリの“跳ね馬”はほとんどの車両に付いているので標準装備と思いがちですが、実はオプション。車両だけ購入すると、当然のように付いていません。
付いてないと「なんだケチったか」となります。ですから、エンブレムのないフェラーリを探すほうが難しいくらい、当然のように付いています。
そして、通常のエンブレムよりも優越感に浸れるのが、カーボン仕様の黒いエンブレム。オプション価格は通常の黄色いエンブレムの倍、40万円以上します。
3.カスタマイズで優越感に浸る自分だけのフェラーリ
フェラーリではオプションで合計1,000万円を超える中古車もあります。
購入時に好きなようにカスタマイズできるので、インテリアを全面的にカーボンにしたり、レーシングシートにも種類があって、高価なものはシートだけで120万円以上したりします。
エンブレムを含め内外装のオプションはその車体のグレードを示すといっても過言ではありません。
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