クルーザーでどこに行く?
~東京湾クルージング案内~

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本記事では、東京湾でのクルージングの特徴や楽しみ方、おすすめのクルージングスポットを紹介いたします。
マリーナを出た船が、そのクルージングを楽しめるかどうか、全ては船長にかかっています。段々と色々な海域での経験値を上げて、あなただけのクルージングマップを作ってみてください!

【目次】
1.東京湾クルージング案内
2.東京湾の危険①・・・世界有数の混雑海域
3.東京湾の危険②・・・航路の存在
4.東京湾の危険③・・・漁場としての東京湾
5.東京湾おすすめクルージングスポット①・・・レインボーブリッジ
6.東京湾おすすめクルージングスポット②・・・羽田空港沖
7.東京湾おすすめクルージングスポット③・・・浜離宮恩賜庭園
8.東京湾おすすめクルージングスポット④・・・八景島 海の公園
9.東京湾おすすめクルージングスポット⑤・・・きさらづ海の駅
10.おすすめクルージングスポット番外編・・・・リバークルーズ~神田川~


1.東京湾クルージング案内

あこがれのマリンライフを始めてみたものの、何をしたらよいのかとまどう人は少なからずいます。
せっかくクルーザーで出航したのに、どこに行ったらいいかわからず、マリーナ周辺の海域しか航行したことがなく、次第にクルージングに飽きてしまい、せっかく手に入れたマリンライフなのに、まったくクルーザーに乗らなくなってしまったという話をよく聞きます。
自動車であれば、大きな幹線道路を進む限り、どこを走っているのかわからなくなるという事はあまりないでしょう。しかし、海の上には(特定の港を除き、)信号も、決まった車線もありません。360度、船長の思うまま、舵をきった方向に船は進んでいきます。その自由さがクルーザーの醍醐味なのですが、海上には危険な海域も無数にあって、慣れない新米船長さんは、とまどう事も多いと思います。
本記事では、東京湾でのクルージングの特徴や楽しみ方、注意しなければならない危険、おすすめのクルージングスポットを紹介いたします。

tokyobay
東京湾には、魅力がいっぱい!危険もいっぱい…


なお、クルージングスポットの紹介に関しては、筆者がベースとする東京近郊マリーナを前提にルート等、ご紹介しておりますので、あしからずご了承ください。

実際の航行に際しては、必ず海図やGPSプロッター等で事前に確認の上、無理のない航海計画を立ててください
少しでも不安のある方は、無理な航海計画を立てず、経験のある方やマリーナに事前に相談してください。
また、ベースとなるマリーナで行く先の航行制限等の規制を確認の上、安全にクルージングをお楽しみください。


2.東京湾の危険①・・・世界有数の混雑海域

東京湾は世界でも有数の混雑海域です(だそうです。実際、筆者は東京湾でしか航海経験がありませんので、よくわかりませんが、確かに多くの大型船を見かけます)。
東京湾には日本を代表する大きな港が集まっていますので、外洋を航行するような巨大なタンカーから、漁船やプレジャーボートまで、さまざまな船が絶えず航行しています。

実際に東京湾を航行していると他船と行きあい状態になることが多くあります。海上衝突予防法を遵守するのはもちろんのこと、大型の本船に近づきそうな時は、基本的に避ける行動をとるようにしてください。大型の本船では回避行動をとっても、舵が利くまでに長い距離と時間がかかります。また、小型プレジャーボートに対しては本船から死角になる事があります。もし、本船との行きあい関係になりそうな時は、プレジャーボートの方から、早めに、大きくはっきりとした回避行動をとることが必要です。

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大型の本船から、あなたは視認されていないかもしれない!

大型の本船では、錨泊中なのか、航行中なのか、わかりづらい事がよくあります。形象物(船舶のマストに、他船に識別できるように掲げられた標示物)等をよく確認して、航行中の船には近づかないように気をつけましょう。


3.東京湾の危険②・・・航路の存在

東京湾には中央に2つの航路(中ノ瀬航路、浦賀水道航路)が通っています。航路内は大型の本船の通り道となっていますので、プレジャーボートでは、できるだけ避けて通るようにしましょう。
航路内は、海上交通安全法に基づき、一定の進行方向や速度制限など、航路の独自ルールが存在します。
「君子危うきに近寄らず」、航路には入らないようにするのが賢明です。

海上には航路を示す灯浮標が並んでいますが、もちろん、海の上に線が引かれているわけでも、ガードレールがあるわけでも、ありません。うっかりと航路に迷い込んでしまう事がないように、航行中は航路と自船の位置関係をはっきりと認識し、GPSプロッター等で常に確認しながら航行しましょう。
航路に近づくようなルートを通る際には、十分な見張りを行い、航路を表す浮標をできるかぎり視認して、常に位置関係を把握できるようにしましょう。


4.東京湾の危険③・・・漁場としての東京湾

東京湾は、漁場としても広く利用されています。東京湾で取れる魚介類は江戸前の魚として、江戸時代より重宝されています。
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そのため東京湾では漁船との行きあいも多くありますが、漁船においては、漁ろうに従事しながら航行している船舶がありますので、漁船との行きあいにおいては、特に注意が必要です。
漁ろうに従事している漁船では、漁網等(トロール、はえ縄)を引きながら航行している場合がありますので、すれ違いにおいては後部にも気をつけなくてはいけません。
漁ろうに従事している漁船は、形象物を掲げていなければいけないのですが、実際には形象物を掲げていない漁船(もちろん、法律違反です)も、時おり見受けられますので、よく見張りをして、漁船との行きあいには十分注意してください。
基本的に漁船にはできるだけ近寄らないようにするのが賢明です。
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漁船以外にも、東京湾では浅瀬や暗礁とうの危険区域、また漁具や漁網が多く仕掛けられている危険な海域があります。浅瀬や暗礁等の近寄ってはいけない海域については、事前の確認が必須です。
また、定置網やのり網等、季節によって漁網等が設置されている場合がありますので、必ず事前にマリーナ等で周辺海域の情報収集を行う必要があります。
これ以外にも、不規則に漁具が仕掛けられている海域もあります。発泡スチロールやウキ等が流されずに浮かんでいる場合、その下に漁具が仕掛けられていますので、見張りを十分に行い、巻き込まないよう注意して航行してください。
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5.東京湾おすすめクルージングスポット①
 レインボーブリッジ

東京港の有名クルージングスポットといえば、まず、最初に挙げられるのは、レインボーブリッジでしょう。
高速道路やゆりかもめで、レインボーブリッジを渡った方は大勢いらっしゃるでしょうが、レインボーブリッジの下をクルーザーで通過するというのは、なかなかできない経験です。また違った風景を楽しむことができます。
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お台場の海浜公園からは有名なフジテレビの球体や観覧車などが見えますが、お台場海浜公園内はプレジャーボートの立ち入りが禁止区域となっていますので、入らないようにしてください。
また、レインボーブリッジ周辺は本船が多く航行していますので、十分に見張りも行ってください。


6.東京湾おすすめクルージングスポット②
 羽田空港沖

レインボーブリッジを抜け、東京港西航路から湾内に出ると、右側に羽田空港が見えてきます。
羽田空港沖では、離陸・着陸する飛行機があなたの船の真上を通過しますので、陸上では絶対に味わう事の出来ない風景を楽しむことができます。
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なお、羽田空港D滑走路の先にはD滑走路東方灯標ありますので、必ず外側を航行してください。そのほか、黄色いブイには近づいてはいけません。
また、羽田空港西側には多摩川の河口が広がりますが、多摩川は浅瀬が多く、プレジャーボートでは立ち入らない方が無難です。


7.東京湾おすすめクルージングスポット③
 浜離宮恩賜庭園

隅田川の河口から旧築地市場前を過ぎたあたりに浜離宮恩賜庭園への入り口があります。
水門を抜けて、奥へと進むと浜離宮恩賜庭園があります。浜離宮は水深があまり深くなく、水面も穏やかで、アンカリングして、庭園風景を楽しむことができます。桜の季節にはクルーザーから花見もできます。
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浜離宮入り口の水門は見通しが悪く、衝突の危険性がありますので、水門から庭園内へ入る前にはホーンを鳴らして、進入を知らせましょう。
浜離宮には水上バスが出入りしますので、特に注意が必要です。
また、庭園内は水路がせまくなっていますので、十分に注意して航行してください。


8.東京湾おすすめクルージングスポット④
 八景島 海の公園

東京港周辺に慣れてきたら、少し遠出して八景島まで足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
海の公園内は浅瀬のアンカリングポイントです。八景島シーパラダイスを眺めながら、のんびりと食事や釣りを楽しむことができます。
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海の公園内は、小舟やウインドサーフィンなどを楽しむ人も多くいますので、必ず徐行するようにしてください。
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また、八景島周辺は漁具が多く、見張りには十分に注意が必要です。季節によって、イケスやのり網等が出ていますので、事前に情報収集するようにしてください。


9.東京湾おすすめクルージングスポット⑤
 きさらづ海の駅

十分に経験を積んで、さらに遠出したくなったら東京湾を横断してみてはいかがでしょうか?
東京湾の真ん中には中ノ瀬航路が通っていますので、航路をかわすように航路北側を通って、まずは海ほたる方面へ向かってみましょう。
東京湾の中心部に出ると多くの本船と行きあいますので、見張りを十分に行って、注意して航行してください。特に湾中心部では進行方向の目標物が捉えにくくなりますので、しっかりと事前に海図で針路を確認して、目標針路にコンパスを合わせながら進んでください。
途中には風の塔や海ほたるも見えてきます。陸上からは見る事の出来ない風景を楽しむことができます。なお、風の塔と海ほたるの間には東水路がありますので、間を通過する場合には右側通行を遵守してください。アクアラインの下を通り抜ける事もできます。標識に従って決められたルートを通って下さい。
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アクアラインより陸よりは浅瀬が続いていますので、必ず黄色いブイを視認して、陸に近づきすぎないように十分に気を付けて南下してください。
木更津航路の浮標を越えたら、木更津航路から木更津港へ入っていきます。木更津のシンボル、中の島大橋(木更津キャッツアイでお馴染みのあの橋です!)をくぐると「きさらづ海の駅」があります(セントラル0438-37-2091)。ビジター利用して、潮干狩りに興じたり、「海鮮茶屋活き活き亭」で海鮮バーベキューを楽しむのもよいでしょう。
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10.おすすめクルージング番外編
 リバークルーズ~神田川~

番外編として、神田川リバークルーズもおすすめです。東京湾ではありませんが、東京には多くの水路が走っています。実は、こうした水路もクルージングで巡ることができます。

神田川を上って、日本橋の下をくぐってみるのはいかがでしょうか?
普段、待ち合わせに利用している日本橋の麒麟の像の下を船で通ることができます。

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橋の下をくぐろう!


中央線のお茶の水駅を利用したことがある方なら、ホームの眼下に走る川をご覧になったことがあるでしょう。あの川もクルージングすることができます。

水道橋駅から東京ドームに移動する際に後楽園入り口の橋を渡りますが、あの橋の下もクルージングすることができます。普段、見慣れた都会の風景も、川から見上げると、また違った風景を楽しむことができます。

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なお、神田川リバークルージングでは通過できる船の高さに制限があります。
特に干潮時刻でないと通り抜けられない橋もあります。
事前に潮汐表で時刻と水位を確認の上、自船の高さと橋の高さをしっかり確認して安全にお楽しみください。

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